編集部より: 継続していくためのダイナミズム
クリストフォ-ラスが初めて登場してから70年の歳月が過ぎました。革新的なアイデアを創造的に表現してきたこの雑誌は、昔も今も極めてアイコニックな存在です。
1952年以来、ポルシェというブランドとともに走ってきた私たち編集部にとって、継続の本質とは、歴史にしがみつくだけではなく、一緒に前進していくことです。今日のポルシェを作り上げてきたのは一貫したダイナミズムであり、私たち編集部にも常に前進していくDNAが脈打っています。
記念すべき年の始めにクリストフォ-ラス も、また少し変身しました。アイデンティティや進路を維持しながら、新しいものを創造し、取り入れていく。それがポルシェの流儀だからです。
クリストフォ-ラスは今号よりひとつのテーマを深く掘り下げる“レポート”をお届けします。最初のテーマとして、設立20周年を迎えるライプツィヒ工場に目を向けました。ポルシェの文化的、社会的貢献は今やライプツィヒにとって不可欠な要素で、4ドア・モデルの生産を担うライプツィヒ工場は、新世紀におけるポルシェの継続的かつダイナミックな前進を象徴する場所であり、世界で最も進んだサステイナブルな生産設備を備える自動車生産拠点でもあります。今回のレポートを取材するにあたり、ライプツィヒとのつながりが深い元WRCチャンピオン、ヴァルター・ロールやライプツィヒ出身の現代アーティスト、ノルベルト・ビスキーから貴重な考察を得ることができました。
アートと言えば、クリストフォ-ラス創刊号でアフリカ旅行記を執筆した精神科医、オットマー・ドムニック博士は、美術品のコレクターとしても有名な人物で、シュトゥットガルトで製造されたポルシェを最初に購入した顧客でもあります。彼の356(シャシー番号5005)は長いあいだ行方不明になっています。今号ではシュトゥットガルトで製造された現存最古の356(シャシー番号5006)を救出するハリウッド映画も顔負けのレポートを収録しています。
内燃機関が発する美しいサウンドは、様々な部品の作動プロセスが共鳴し合って生みだされるもの。音響技術に焦点を当てたコーナーでは、電気を動力とするタイカンのピュアなサウンドに迫ります。
今号では皆様をユタ州の大自然、スイスを代表する時計メーカーのタグ・ホイヤー本社、カリフォルニアのテニスコート、そしてスペインのマヨルカ島へとご案内します。世界中のどこでお読みになっていても、たっぷりとお楽しみいただけることでしょう。