Cayenne Coupé

躍動感に溢れる新型カイエンクーペ。ニューモデルの登場にあたり、セールスおよびマーケティング担当取締役のデトレフ・フォン・プラテンにいくつかの質問を投げかけてみた。

  

ポルシェが新たにラインナップするカイエンクーペが、4 月に開催される上海モーターショーでワールドプレミアとなります。カイエン初の派生モデルに寄せる期待をお聞かせください。

新型カイエンクーペは第 3 世代カイエンの遺伝子ともいえる駆動システムやシャシー、運転支援デバイスや情報システムを受け継ぎながら、躍動感溢れる情熱的なスタイルを纏っています。そのスポーティーなルックスはカイエンの派生モデルとして文句のない出来栄えで、オプションでカーボン製ルーフや可変式リアスポイラーを装着することも可能です。

カイエンクーペはどのような地域と購買層がターゲットとなるのでしょう。

新型カイエンクーペの魅力は世界に通用すると思います。ポルシェというブランドに対して然るべき意識をお持ちで、ゆとりあるライフスタイルを志向する方であれば、興味をそそられるのではないでしょうか。

クーペ SUV セグメントに属するクルマは他にもありますが、私たちはこのモデルにポルシェのデザイン DNA に則った独自の個性を与えました。そのスポーティーでユニークなデザインは、プレミアム・スポーツカーメーカーであるポルシェに相応しい仕上がりと言えるでしょう。

煌びやか

煌びやか

カイエンクーペは従来のカイエンと比べて車高が 20mm 低く設定され、全長は 15mm、幅は 19mm 拡大している。リアには可変式リアスポイラーを備え、よりフラットになったフロントガラスと特徴的な “フライライン” によりエレガントな雰囲気を醸す。タイヤ & ホイールは 20 インチが標準装備。以下の 22 インチホイールはオプションで提供している
「カイエンの遺伝子がさらにスポーティーに進化したとなれば、多くのカスタマーが興味をそそられるのではないでしょうか」 デトレフ・フォン・プラテン

グローバルな一般的視点から見て、ポルシェのカスタマーにはどのような傾向がありますか。

ポルシェのカスタマーは、男女を問わず、個性的で洗練されたライフスタイルを好む方たちです。だからこそ、私たちはお客様ひとりひとりに合わせた対応が大切だと考えています。顧客調査でも明らかになっていますが、ポルシェのカスタマーには共通する特徴がいくつかあります。最大の特徴は、成果を出すためには自己啓発や努力を惜しまない向上心の旺盛な方が多いということ。ポルシェを通じて志を同じくする仲間をと出会い、交流を密にする社交的な側面もあります。

また、ポルシェのカスタマーは、自動車に多くの要件を求める傾向があり、ポルシェ以外の高級車をお持ちのケースが多いです。ポルシェのエントリーモデルでドライビングプレジャーを体験した方が、いくつかのステップを経てターボや GT モデルに向かう志向性も顕著です。私たちにとって、そういう個人の意思や指向性が何よりも重要なのです。

911 や 718 のカスタマーが求めるニーズと、カイエンやマカン、パナメーラのドライバーが求めるニーズに違いはあるのでしょうか。

カスタマーの多くが複数のポルシェを所有しているようですが、そのニーズをひとくくりにすることはできません。718 で週末の小旅行を兼ねて郊外のカントリーロードを楽しむニーズもあれば、究極のドライビングプレジャーを求めて 911 でサーキット走行に挑戦するニーズもある。また、カイエンやマカン、パナメーラには、家族全員でスポーティーなドライブを満喫しつつ、ビジネスシーンでも使えるというニーズがあります。どのモデルをどのように組み合わせるかはカスタマーによって異なります。

スポーティー

スポーティー

クーペの躍動感溢れる個性を強調する軽量スポーツパッケージやカーボン製ルーフもオプションで用意される。駆動システムからシャシー、コネクト機能、運転支援システムに至るまで、従来のカイエンが持つコア・テクノロジーを受け継ぎつつ、トレッド幅の拡大により機動性はさらに高まっている。このカイエンクーペの最高出力は 340PS、ターボタイプは 550PS
「カスタマーのご要望に沿えるよう、モデルレンジのさらなる拡充も目指していきます」 デトレフ・フォン・プラテン

顧客へのアンケート調査や市場調査の結果が、ニューモデルの開発に少なからず影響を及ぼしているのでしょうか。

ポルシェのお客様はアンケートに積極的な方が多く、年間 30 万件以上の回答や提案、要望が寄せられています。それらの意見が新型モデルの開発プロセスにおいて具体的なマイルストーンとなり、後に製品となって具現化されるのです。今回発表されるカイエンクーペは、まさにその良い例ではないでしょうか。開発時にあたっては、先代カイエンに対して世界中から寄せられたフィードバックを参考にしました。特にインテリアに関しては、多くの国で受け入れられるデザインでなければなりませんからね。

まもなく登場するタイカンの開発においても、開発当初から顧客アンケートを実施し、純電気駆動スポーツカーに関する要望を探り、実際、多くの意見を製品に取り入れています。先だっても今秋に予定しているワールドプレミアを控えて、皆さまに製品に関する最終的なアンケートをお願いしたところです。反響は大きく、ありがたいことに世界各地から様々な意見が寄せられました。

カイエンクーペの登場は、ポルシェのさらなるモデルレンジ拡大を予感させます。ダイバーシティのトレンドは今後も継続されるのでしょうか。

私たちは個々のモデルではなく、ブランドの DNA に焦点を当てています。スポーティーでハイクオリティなクルマは他にもありますから。大事なのはルーツ・モデルである 911 の DNA を受け継いでいるか、です。パナメーラやカイエン、マカンを含め、どのポルシェ・モデルも 911 の遺伝子を受け継いだスポーツカーであり、それらは各セグメントで最もスポーティーなモデルでなければなりません。それを徹底しているからこそ、ポルシェはプレミアム・スポーツカーメーカーとして広く世間に認知されているのです。私たちはこれからも世間のイメージを裏切ることのないよう注意を払いながら、多様化するカスタマーのご要望に沿うべく新たな挑戦を続けていくつもりです。特に成長市場では顧客の嗜好の変化が早く、例えば中国ではスポーティーなオフロードカーの需要が依然として旺盛な一方で、2ドアのスポーツカーの販売台数が伸びてきています。

くつろぎの空間

くつろぎの空間

カイエンクーペのキャビンは 2+2 シート・コンセプトを採用。従来型カイエンと比較してシートポジションは 30mm 低く設定されている。PASM スポーツシャシーやリバースカメラ、ヘッドレスト一体型の 8-Way 電動調節式スポーツシート(千鳥格子柄も選択可)も標準装備。セグメントでは初となる 1.2m2 もの大型ガラスルーフを選択することも可能だ

自動車メーカーは新規顧客獲得のため、ニッチモデルの追加に余念がありません。今回のカイエンクーペのラインナップにはどのような意図が込められているのでしょうか。

ポルシェ・ブランドのコアは常に “ヒト” であり、ポルシェは時代を超えて多くの “ヒト” によって創り上げられてきた会社です。愛情と情熱の結晶であるポルシェを皆さまに継続的に提供するため、私たちポルシェの “ヒト” は日々最善の解決策を求めて仕事に取り組んでいます。それを続けることによって、ドライビングプレジャーに重点を置いた最高品質のモデルレンジが受け継がれていくのです。

カイエンクーペの狙いに関して言うならば、新たな顧客層として若者をターゲットにしています。彼らはエクスクルーシブで個性豊かなライフスタイルを求め、何よりもパフォーマンスを重視します。故にカイエンクーペの開発過程においては特にデザインや美的感覚、そして “大胆さ” を意識しました。ネットや SNS は若い潜在顧客層との重要なコミュニケーション・ツールとして機能しました。

昨年、ポルシェの新車販売台数は 25 万台を突破し、過去最高を記録しました。ブランド価値を保つための希少性と規模のバランスゾーンはどのあたりにあるとお考えですか。

私たちにとって販売台数だけが目標ではありません。絶対的な数量も大事ではありますが、モデルの品質や顧客満足度こそが私たちの成果を表す指標だと考えています。毎年、増加の一途を辿る新車販売台数は、製品フィロソフィーが世に受け入れられた結果であり、今後もし全モデルを電動化したとしても新たなセグメントを築き、緩やかな右肩上がりを持続できるはずです。しかし繰り返しになりますが、重要なのはボリュームではなくブランドとしての価値です。ポルシェは皆さまの夢を叶える特別なモデルでなければいけません。逆に言うと、そうすることでしかポルシェの存在価値は保てない、ということです。

「ポルシェは皆さまの夢を叶える特別なモデルでなければいけません」 デトレフ・フォン・プラテン

最後に今後の展望についてお伺いします。ポルシェにとって初の純電気駆動スポーツカーとなるタイカンが今年の秋にワールドプレミアとなりますが、どのような成果を収めるとお考えでしょうか。

タイカンによってスポーツカーの歴史に新たな 1 ページが刻まれるはずです。適切なタイミングで適切なモデルを投入することで、皆さまに喜んで頂きたいと考えています。ポルシェ・カスタマーの皆さまには新しい純電気駆動のスポーツカーを必ずや気に入っていただけると確信しています。タイカンは優れたドライブパフォーマンスと日常利便性を兼ね備え、100km の航続距離に必要な電気の充電時間はわずか 4 分と、充電時間も非常に短くて済みます。走行時の静粛性も高く、電気モーター音も耳障りではありません。タイカンでのドライブは非常にエモーショナルで、ピュアな体験です。エレクトロモビリティーがどれほど魅力的で、また日常利便性に優れているか、このモデルなら証明できる。私はそう信じています。

ポルシェ カイエン クーペ

燃料消費量 市街地: 11.7 〜 11.6リッター/100km*
高速道路: 8.0 〜 7.9リッター/100km*
総合: 9.4 〜 9.3リッター/100km*
CO2 排出量(総合): 215 〜 212g/km*
効率クラス: D

ポルシェ カイエン ターボ クーペ

燃料消費量 市街地: 15.3 〜 14.8リッター/100km*
高速道路: 9.4 〜 9.0リッター/100km*
総合: 11.4 〜 11.3リッター/100km*
CO2 排出量(総合): 261 〜 258g/km*
効率クラス: F 〜 E

*使用するタイヤセットにより異なります

Sebastian Missel
Sebastian Missel