未来のドライブを占う自律性 オーストリアのグミュントで、フォルクスワーゲンの技術を応用したポルシェ第一号が誕生してちょうど 70 年。この間ポルシェでは連綿と技術開発が継続されてきた。これから先、ポルシェはどのように変わっていくのだろうか。そう、本稿のテーマはクルマの “自律性” である。
ダイナミックな休息空間 それは1990 年のベルリン、自動車業界のエンジニアが集まる技術セミナーでのことだ。休憩中に二人の参加者がポルシェ 911 について話をしていた。ひとりは南ドイツの某有名自動車メーカーに勤務する優秀なエンジニア。彼がもうひとりの男にこんなふうに水を向ける。「今後も 911 の開発を続けるにしても、さすがにこれ以上のアイディアは出てきませんよね?」と。話しかけられた男、アウグスト・アッハライトナーはその質問に対して何も答えず、ただ不思議そうに相手の顔を眺めていた。
優等生 世界各国で確固としたブランドイメージを確立しているポルシェ。長年にわたり、かくもポジティブなイメージを維持し続けているブランドは数少ない。1948 年にポルシェの初号機、ポルシェ 356“No.1” で得た世間からの好感を、全ての後続モデルが受け継いできたのである。